2. 活性酸素防御機構の解析

図1. モデル生物 線虫C. elegans

 酸素は我々の生存に必須だが、酸素の一部は、代謝の課程で活性酸素を生じる。活性酸素は老化・生活習慣病などの種々の疾患を促進する危険因子である。活性酸素は主にミトコンドリアから生じると考えられているが、実際にどのような遺伝子が活性酸素の生成や消去に関与しているかは、あまり明らかではない。当研究室では、酸化ストレス防御機構を解析するため、線虫(C. elegans)や出芽酵母(S. cerevisiae)より活性酸素高感受性または抵抗性変異株を多数分離し、いくつか原因遺伝子の同定に成功している。それら遺伝子の機能解析を進めることで、生物の活性酸素防御機構が明らかになることが期待される。

図2. C. elegansの活性酸素感受性変異体oxy-5の原因遺伝子の機能解析
OXY-5のC末端に蛍光タンパク質(GFP)を融合させ、C. elegans組織での発現パターンや細胞内局在を調べた。OXY-5タンパク質は、神経系および咽頭に強い発現がみられた。